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パパママコラム ときどきケンムン

充実の療育で、親子が安心して過ごせる「のぞみ園」

執筆:sunママ (まーじんママライター)

日々の子供の成長はうれしいものです。でも、少し気になることが出てきたり、相談してみたいな…と思うことが出てくることもありますね。

我が家も子どもに幼児期から気になることがあり、小学校入学を機会に、いろいろな方々に相談してみました。

その相談できる場所でもあり、実際に支援もおこなっている「児童発達支援施設」。

しかし、「児童発達支援施設」について、詳しくわからない、何をしているところなの?と疑問に思う保護者の方も少なくないようです。

そこで今回は、実際に「のぞみ園」と「シエル名瀬教室」の2施設におじゃまして、施設について詳しくお話をうかがってきました。

この記事(前編)で「のぞみ園」を、後編で「シエル名瀬教室」を詳しくご紹介します。

▶【児童発達支援施設紹介:前編】充実の療育で、親子が安心して過ごせる「のぞみ園」

▶【児童発達支援施設紹介:後編】のびのび運動で療育!静と動の時間も大切に「シエル」

児童発達支援施設って?

児童発達支援施設は、地域の障害のある児童を通所させて、日常生活における基本的動作の指導、自活に必要な知識や技能の付与または集団生活への適応のための訓練を行う施設です。

福祉サービスを行う「福祉型」と、福祉サービスに併せて治療を行う「医療型」があります。

入所から福祉サービス利用までの流れを簡単に説明しましょう。

①まずは相談
各市町村の福祉課か相談支援事業所へ行き、相談支援専門員(のぞみ園にも在籍者あり)に相談しましょう。無料で相談できます。
※相談支援事業所がどこにあるか不明な場合は、各市町村の福祉課または施設の人に聞いてみましょう。

②申請をする
利用したいサービスについて、市町村の福祉課へ申請書を提出します。
申請後、調査員が自宅等を訪問し、心身の状況等を聞き取りします。その際、かかりつけ医に「医師意見書」を書いてもらう場合もあります。

③「サービス等利用計画案」作成
相談支援専門員がどのような目的で、いつ、どのサービスをどのくらい使うかの予定表である「サービス等利用計画案」を作成します(自分で作成することも可能)。
その後、市町村の福祉課に提出し希望と必要性を伝えます。

④市町村が支給の決定を判断する
受給の種類や内容が書かれた「受給者証」が届きます。この受給者証があれば、利用料が1割負担となります。(なければ10割負担)
※「療育手帳」だけでは利用できないので注意が必要です。

⑤決定した「サービス等利用計画」を作成
サービス担当者会議を経て、相談支援専門員が正式な「サービス等利用計画」を作成します。

⑥児童発達支援施設(事業者)と契約
事業所が決定したら、事業者と契約します。

⑦サービス利用開始
サービス等利用計画に沿って、サービスを利用します。

⑧モニタリング
サービスを利用してどうだったかの振り返りをおこないます。

今回訪問させていただいた「のぞみ園」と「シエル名瀬教室」は、「福祉型」の児童発達支援施設です。

のぞみ園に行ってきました

のぞみ園は1996年に開所し「今の時を喜びと感謝を持って生きる」を施設理念に、障害や発達につまづきのある子どもの発達に沿った発達支援をおこなっている、福祉型児童発達支援施設です。

事業内容

事業内容は「児童発達支援事業」「放課後などデイサービス事業」「保育所等訪問支援事業」「相談支援事業」の4つです。

①児童発達支援事業(療育)
支援対象年齢は未就学児です。定員は25名。発達支援・家族支援・地域支援を通して、集団生活への適応訓練や日常生活における基本的動作訓練、遊びを通した人との関わりなどを身につける活動をしています。

下記は登園してからの1日の流れの一例です。

8:15 登園開始・自由あそび
9:50 朝の会
10:00 課題あそび
11:30 給食準備・給食
13:00 午前帰り(※お昼寝ありの子はお昼寝)
15:00 降園

②放課後等デイサービス事業(療育)
支援対象年齢は就学児から18歳未満です。定員は20名。居場所作りや余暇活動(発達支援)、個別支援、地域支援を通して、自立した日常生活を営むための活動や個別指導が必要な児童への関わりの充実、対象児が通う学校との連携などを目的とした支援をおこなっています。

下記は事業の時間帯です。
・放課後実施 → 15:30~18:00
・長期休暇中 → 1日受け入れ

③保育所等訪問支援事業
対象は未就学児~高校生までです。児童が集団生活を営む施設(保育所・幼稚園・小学校・特別支援学校など)に、訪問支援員が訪問して、集団生活への適用のための専門的な支援やそのほか必要な支援をおこなう事業です。

④相談支援事業
療育等が必要と認められる児童の福祉サービス利用計画相談や障害児・者における福祉サービス利用計画相談をする事業です。

充実の療育と頼れる先生方

療育とは、子ども自身の苦手なことやこだわりなどからもたらされる「しんどさ」をふまえながら、「楽しい活動」や「子どもの好きな世界」をていねいに広げていく育成です。

楽しさの中で心と体の成長を促し、子ども自身が将来にわたって「その子らしく」、自らの可能性を発揮できるように子ども自身と保護者の皆様を支えることも療育の一つです。

のぞみ園では、年齢・発達の状況・登園スタイルよって、4つのグループ(クラス)に分けて「生きていく力」「遊べる子ども」「意欲的に取り組む力」「人と関わる力」を大切に療育をおこなっています。

先生方はみんな明るく優しい笑顔で子どもたちと関わっていました。

現在は所長1名・保育士・児童指導員・看護師・介護福祉士・相談支援専門員・栄養士他の全31名の職員がいます。

所長さんや先生にお話をうかがうと、とにかく「子どもの立場に立って考える」「子ども中心」という療育方針がひしひしと感じられました。子どもたちに困難が起こり、パニックになってしまいそうなときも、個々のペースを大切に、じっくりと関わっているのが印象的でした。子どもたちも先生を信頼して、のびのびと活動できているようでした。

登園したらまず自由遊び。室内でもダイナミックに遊べる、吊り器具も設置され、好きな遊具で遊ぶことができます。

うかがったこの日は、お散歩に出かけていたクラスもあり、園庭は小さい組の子どもたちだけで穏やかな時間。

お散歩組が帰ってくると、一気ににぎやかになり、お給食はみんなでワイワイと楽しそうでした。この日の献立は、擬製豆腐・甘酢和え・根骨汁でした。1階で作って運ばれてくるので、温かい食事がいただけます。

栄養士さんが日々の献立を考えてくれています。

施設・設備

のぞみ園は2015年9月、奄美市佐大熊町(さだいくまちょう)から奄美市和光町へと移転し再開所ました。

建物は2階建てで、1階部分は事務室や給食室、相談室、先生方の更衣室などで、実際の療育は2階をメインにおこなわれています。

2階は、ところどころに子どもたちの作品が飾られていて、明るく清潔感があります。クラスごとに活動できるよう部屋分けされていましたが、扉を開け放てば広いスペースでの活動も可能な造りになっています。

お部屋の中は、使用しない時にはすっきりと片づけられ、活動中も危ないものや手を触れてほしくないものは手の届かないところに置かれていて、子どもたちがのびのびと活動できる配慮がされていました。

トイレは未就学児が使える子ども用トイレと就学児童や大人が使えるトイレ、そして車いすでも入れる広いトイレも設置されていました。

汗をかいたり汚れたりしたときにはシャワールームもあるので、体をきれいにしてから気持ちよくお着替えができます。

エレベーターもあり、車いすのお子さんの移動もスムーズ。お給食もエレベーターで運んで、2階で食べられるようになっています。

医務室のような処置をするお部屋もありました。

外には園庭があり、砂場やうんていなどの遊具があります。たらいや小さなプールで水遊びもできます。安全にのびのびと遊べる園庭です。

保護者へのフォローと施設の特徴

幼稚園や保育園は、毎日の通園に保護者の送迎が欠かせませんが、のぞみ園は送迎もしています。自宅や保育園、幼稚園、養護学校に迎えに行って、活動が終わるとまた自宅や保育園、幼稚園に送ってくれます。大変助かりますね。

送り迎えで毎回会っているので、保護者とのお話は頻繁にする機会はあるようですが、しっかりとした面談も年に3~4回おこなわれています。半年に1度は個々計画を見直して、よりよい支援ができるように配慮されています。

また、園内行事を通して、お子さんとのコミュニケーション時間を取ったり、家族親族間の理解を深めたりするためのフォローもしているそうです。園内行事はおじいちゃんやおばあちゃんも一緒にとのことでした。

保護者との密接な関わりを通じ、保護者の方の「良かった!」の声に、職員の皆さんはやりがいを持ってさまざまな支援に取り組んでいました。

まずは相談から…児童発達支援施設へ

「子どもの立場に立って考える、子ども中心の療育」を念頭に置いて日々の療育にあたられている所長はじめ先生方。

「何か心配なことがあったら、まず相談しに来てくださいね。」とおっしゃっていました。

児童発達支援施設で受けられるさまざまな療育は、子どもたちの日々の困難や不安要素を緩和し取り除いてくれるでしょう。

「のぞみ園」のような集団生活を通した療育は、先生や他の子との関わりを通して、それぞれの特性に向き合うきっかけにもなるでしょう。個別な対応が必要な場合でも、相談に乗ってくれる先生方や相談支援専門員が、常にいてくれるので安心です。

自分の子どもには何が合っているのか。奄美大島には、その他にも児童発達支援施設があります。

まずは市の保健師さんや施設の相談支援専門員に相談してみましょう。きっと、お子さんに合った療育方法を一緒に探してくれますよ。

【基本情報】

「のぞみ園」
所在地:〒894-0007 

    奄美市名瀬和光町41-3
TEL:0997-53-1718
FAX:0997-53-6776
受付時間:8:30~18:00
ホームページ:http://www.seirei.or.jp/hq/facility/children/nozomi/index.html

参考サイト:
https://houkago-navi.com/kagashima/amamisi/amami-6/

「社会福祉支援参考サイト」
奄美地区地域自立支援協議会公式WEBサイト:島っちゅネットDEイイだっか
http://www.amami-jiritsu.org/officies

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sunママ

「自然いっぱいの島で子育てをしたい!」そう思って、家族4人で千葉県から奄美大島にIターンして早7年。奄美のあたたかい人たちに支えられて、楽しい日々を過ごしています。 今では10歳、7歳、5歳の母となり、学校行事や地域行事、子どもたちの習い事にイベント参加…と充実の日々。今は少しずつ、おうちでできるライターのお仕事にも挑戦中です。

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