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妊娠中の不安を夫婦で解消できる場「マタニティカフェ」 

執筆:さっちゃん(まーじんママライター)

妊娠中のママは、妊娠の喜びを感じる一方で、不安なことも多いのではないでしょうか。

私も娘が1人居ますが、妊娠中は今まで当たり前に出来たことが制限されるストレスや、出産への不安、産後の子育てへの不安…心配だらけでした。

初めて出産される方だけでなく、出産経験がある方も、妊娠中の不安は尽きないと思います。

そんな不安を少しでも軽減できるような場として、奄美市が妊娠中の方を対象に開催している「マタニティカフェ」があります。

妊娠や出産について知ることができるけど、病院の母親学級とは少し違う、そんな「マタニティカフェ」についてご紹介します。

マタニティカフェってなに?

マタニティカフェは、奄美市が年に1回、3日間に分けて開催しています。

定員10組で、対象は奄美市在住のはじめての出産をむかえるママとパパ。母子手帳交付時にお知らせがあったり、広報紙や新聞、口コミで知ったりして来られるそうです。

場所は奄美市保健センターです。

3日間の内容は、連続性があるそれぞれ違う内容で、通して受講することで、より深く産前産後のケアやサポート、心構えなどを知ることができます。

各年度によって内容に変更がある可能性もありますが、今回は令和元年度に開催されたマタニティカフェの内容を例にご紹介します。

第1回 お産までの体の変化・パパの妊婦体験

【内容】
・妊娠中の身体、ホルモンバランスの変化を知る
・よくある妊娠中のトラブル対処法
・実際に自分に起こっているトラブル、解決策を書き出す
・受診が必要なのはどんなとき?
・お腹の赤ちゃんはどう過ごしている?
・パパ、専用ジャケットを着て妊婦体験

まずは、妊娠によって変化する女性の心身について知る内容。

講座に参加している女性自身が、実際にそのとき感じているトラブルや不安感などを書き出したり話したりしてすすめるので、より「自分ごと」としてイメージでき、夫婦で気持ちが共有しやすくなるのだとか。解決策をともに見い出すヒントにもなりそうですね。

男性が、専用ジャケットを着て妊婦体験ができる試みも魅力的。妊婦の気持ちを理解する一助になればうれしいですね。

第2回 出産時のイメージ・計画立てる/マタニティヨガ、ペアマッサージ

【内容】
・バースプランをつくる(自分たちらしく産み育てるための妊娠、出産計画書)
・出産時に専門的な処置が必要となる場合の説明
・陣痛時の過ごし方
・先輩ママのアドバイス
・呼吸、ストレッチ、マッサージ

妊娠時の心身の変化・対応などを学んだあとの2回目講座では、「出産本番」についての理解を深めます。

ただお医者さんや助産師さんにまかせっきりではなく、大きな出来事である出産を自分たちらしく、スムーズに行えるように考えましょう、という内容。

出産時のイメージができ、実際に使える呼吸法やストレッチやマッサージも教えてくださるそうです。

第3回 出産後の家庭内のケアバランスを考える・授乳について

【内容】
・産後のママの身体について
・産後、どんな生活リズムになるのか実際に考える
・パパ、じぃじ、ばぁばにどうサポートしてもらうか計画
・新生児期の特徴
・赤ちゃんの”泣き”への対処法など
・授乳の基本、トラブル時のセルフケア
・先輩ママと赤ちゃんとの交流

3回目は産後がテーマ。本当に大変なのは、出産後からですよね。

特に女性にとって、出産は心と身体に負担が大きくかかるもの。産後には心身共に変化があり、気持ちも落ち込みやすくなります。

出産後の自分の身体や生活がどうなるのかをイメージし、事前に起こりうるトラブルの解決策を立てることが出来たらいいですね。

どんな人が来てる?来てみたらどうだった

実際に「マタニティカフェ」に参加してみました。

参加していたのは、元々島にお住まいのご夫婦や、転勤・移住で奄美に来られたご夫婦、里帰りで島外で出産される方などさまざま。

参加者に講座の感想を伺ってみたのでご紹介します。

「夫婦で出産について話し合って発表する時間があってよかった。」

お家で話すとなかなか時間がとれず、いざ話せば改まってしまって話が進まなかったり、答えが出なかったりしますよね。

マタニティカフェでは、参加者の前で発表もする時間もあるので、自分や夫婦の考えをまとめることができ、さらに他のご家庭の意見を聞くこともできて、自分たちでは出ないアイデアを貰えて一石二鳥!だったそうです。

「妊婦の気持ちや身体の変化を他の妊婦さんと共有できて安心した!」

妊娠中は「もしかして私だけ…?」と思うことがありますよね。

そんな不安な気持ちを他の方の話を聞いて共感できたり、解決法を知ることができたりしたのは大きな収穫だったようです。

なにより、その不安な気持ちを旦那さまにも知ってもらうことができたことがとても嬉しかったそうです。

マタニティカフェの特長

産前産後の心身の変化やその対応、また分娩に関する説明などは、実は産婦人科のある病院などでも定期的に開催されています。

奄美市の「マタニティカフェ」と近い内容ではあるのですが、マタニティカフェならではの特長もありますので、ご紹介してます。

参加される妊婦さんの妊娠週数のくくりが幅広い

病院の「母親学級」などでは、妊娠週数にあわせて講座を前期・中期・後期と分けられることが多く、大体同じ妊娠週数の方と一緒に受けます。

そのため、健診で顔を合わせることが多く、出産時の入院も同じ時期になることがあるので、顔見知りになれたり、仲良くなれたりしやすいと思います。

これは、病院の母親学級のメリットの一つですね。

一方、マタニティカフェは対象の週数が15〜35週と幅広いので、先輩ママさんのお腹を見て少し先の自分をイメージしたり、実際に生の声を聞けたりするのが良かった!と言う方がいらっしゃいました。

確かに、資料などで「この週数のときには体はこうなりますよ」という記載を見るだけよりも、実際の姿を目で見たり、体験談を聞いたりした方が想像しやすいですよね。

これは、週数関係なく参加できるマタニティカフェの大きな強みです。

出産する病院と関係なしに受けられる

私も妊娠中は病院の母親学級に参加しましたが、島外での里帰り出産だったこともあり、

前期は、健診を受けていた奄美の病院で。

中期は、自分が産みたいと思っていた地元の病院で。

後期は、事情があって転院した大学病院で。

と、すべてバラバラで、特に他の方とお話することもなく終わってしまいました。

里帰り出産を経験された方は同じような方もいらっしゃるかもしれませんね。

マタニティカフェは出産する病院と関係なく参加していただけるので、周りの方とも顔なじみになりやすいのではないでしょうか。

担当される助産師さん、保健師さんが奄美市の職員と地域の助産師さんなので、出産後も相談しやすい

マタニティカフェを担当される助産師さん・保健師さんは、奄美市の職員の方たちと地域の助産師の方です。

そのため、産後の訪問や乳幼児健診でお会いすることもありますし、産後に相談したいことがあるときに、病院に行くよりも気軽にお話を聞きに行きやすいというお声もありました。

子育て中は子ども中心の生活になってしまい、孤独を感じやすい期間でもあります。

知っている人がいる、気軽に相談できる人がいる、という安心感は「子育て」を「孤育て」にしないために、とても大切なことです。

妊娠や出産をイメージしやすい

マタニティカフェでは、先輩ママとの交流や、夫婦間での気持ちやトラブルの共有など、グループワークなども取り入れて、妊娠・出産をよりイメージしやすいよう工夫されています。

参加された方のお話では

・生まれて数カ月の赤ちゃんを抱っこさせてもらったり、出産を終えたママからお話が聞けてよかった

・旦那さんが妊婦体験できたこと

・夫婦で行けたので自分だけでなく、旦那さんも心の準備をするのに役立った

と、病院ではなかなかない先輩ママさんとの交流や、「旦那にも刺激になった!」と、旦那さまが参加されて影響を受けられたことを喜ばれる方も多いようでした!

まとめ

妊娠中はご自身の身体がしんどいことはもちろん、精神的にも不安になることが多いと思います。

初めての出産…未知の世界!

既に出産を経験されていても、子育てしているところにまた赤ちゃんが増える…これまた未知の世界!

“どうなるか分からない”というのが1番不安になると思います。

“わからないこと”を知って、どう対処していくのかを考えるのが、マタニティカフェです。

ご自身の身体がなぜ変化してしまうのかを知り、身近な家族にどうフォローしてもらうのか計画をたて、赤ちゃんとの生活をイメージする。

自分がどんなことを不安に思っているのかがわかるだけでも、もやもやっとした気持ちが少しは晴れるかもしれません。

マタニティカフェが、素敵なマタニティライフを過ごすお手伝いになりますように。

マタニティカフェは初産婦さんとパパ向けですが、奄美市ではじぃじ・ばぁば・おじ・おば向けの「子育て応援教室」が、1回完結で年2回開催されています。

お風呂の入れ方などおさらいができたり、今と昔で変わったことを教えていただけたりするそうですよ。

教室を受講してもらっておけば、産後のサポートをお願いするときにもスムーズにいきそうですね。

【問い合わせ先】

名瀬総合支所 保健福祉部健康増進課
子育て世代包括支援センター
所在地:894-8555 奄美市名瀬幸町25-8
電話番号:0997-52-1119(直通)

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さっちゃん

奄美大島に惚れ込んで兵庫県から移住してきました。しまんちゅと結婚し、子どもにも恵まれ新米ママとして奮闘中です。 初めての子育てで私自身分からない事ばかりですが、島での子育ての身近な情報や役に立つ情報などお伝えしていきます!

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