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海の生き物を観察しよう!楽しい海レジャーのための3つのルールと危険生物

執筆:sunママ(まーじんママライター)

  

子どもたちが待ちに待った夏休み!

梅雨も明けて、海が綺麗に輝く季節がやってきました。

奄美は暖かいので、5月頃から海に入れますが、夏はそれまで以上に海に入る機会が増えるのではないでしょうか。それと同時に、海の中で、さまざまな危険やトラブルに遭遇する機会も増えますね。

そんな心配を払拭すべく、海レジャーを安全に楽しむためのルールや、海にいる危険生物についてお話しします。

今回は、楽しい海レジャーをするためのポイントを、大浜海浜公園にある「奄美海洋展示館」の飼育員、有馬ほずみさんに伺って来ました。とても大切なお話が聞けましたので、ご紹介します!是非参考にして、安全に楽しい海レジャーを過ごしてくださいね。

<目次>
・これが危ない!奄美の危険な海の生き物
 -シュノーケリングや磯遊びで気をつけたい危険生物
 ①ガンガゼ ②タガヤサンミナシ ③アンボイナ ④ラッパウニ ⑤ドクウツボ ⑥オニダルマオコゼ
 -釣りのときに要注意!な危険生物
 ①ハナミノカサゴ ②アイゴアイゴ
お出かけの注意点:まずは服装から!奄美の海に適した服装は?
これさえ守れば大丈夫!海レジャーを楽しむ3つのルール
【まとめ】ルールを守って安全な海レジャーを!

これが危ない!奄美の危険な海の生き物

奄美大島近海で生息している、遭遇率の高い危険生物を2つのシチュエーションで分けてみました。

・シュノーケリングや磯遊び

・魚釣り

大きさや生息域、毒の程度から応急手当までをまとめましたので、参考にしてくださいね。
  

シュノーケリングや磯遊びで気をつけたい危険生物

①ガンガゼ(ガンガゼ科)

(写真提供 奄美海洋展示館)

殻径…5~9cm
生息場所…浅い岩礁域・サンゴ礁域、単独ではなく群生する。
特徴…肛門部はオレンジ色。トゲは非常に長く、中空で折れやすい。
症状…刺された部分は激痛を伴い、周囲が腫れ、組織の損傷を起こす。長いトゲはやわらかく、もろくて折れやすい。傷口に入ったものは、たいてい抜き取ることができない。
応急手当…傷口をきれいな真水で洗ったら、40~50℃のお湯につける。これで痛みが和らぐ。トゲは二次感染の原因になるので、病院で除去してもらう。


②タガヤサンミナシ(イモガイ科)

(写真提供 奄美海洋展示館)

殻長…4~7cm
生息場所…水深0~20m
特徴…貝食性ではあるが被害例があり、危険種。雲状や網目状の模様がある美しい巻貝。獲物を獲るための毒矢で刺されてしまう。魚を丸飲みできる。奄美大島での遭遇率は高く、手を出して取ろうとして刺されてしまうことがある。
症状…刺された痛みはほとんどない。しかし、神経毒により患部が麻痺し、ついで顔面や手足の先までしびれ始める。呼吸筋が麻痺し呼吸停止に陥り死に至るケースがある。
応急手当…刺された場所より身体に近いところを縛り、毒が全身に拡がるのを防ぐ。安静にして直ちに病院へ搬送することが大切。


③アンボイナ(イモガイ科)

殻長…6~10cm
生息場所…水深2~20m、潮間帯の岩礁間の砂中。奄美大島ではあまり見られないが、猛毒なので注意したい。
特徴…漁食性で被害例も多く、イモガイ類中でもっとも危険種。
症状…刺された痛みはほとんどない。しかし、神経毒により患部が麻痺し、ついで顔面や手足の先までしびれ始める。呼吸筋が麻痺し呼吸停止に陥り死に至るケースがある。
応急手当…刺された場所より体に近いところを縛り、毒が全身に広がるのを防ぐ。病院まで数時間を要するような時には、刺された場所を切開し、毒を出さなければならないことも。口で吸い出すと誤って飲んでしまう可能性もあるので、患部周辺を押すようにして毒を出す。安静にして直ちに病院に搬送することが大切。

   
    

④ラッパウニ(ラッパウニ科)、島口で「うばがしち」

(写真提供 奄美海洋展示館)

殻径…10cm
生息場所…サンゴ礁域の砂礫(されき)底。奄美大島では最近見かけないが、昔は多く生息していた。シラヒゲウニの近くにいる。
特徴…叉棘(さきょく)がラッパ状に開くことで他種と区別できる。本種の毒性は強く、死亡例もある。死骸に毒性はない。海中では、体にサンゴや石をくっつけていて、発見しづらい。
症状…軽症では腫れと痛みだけですが、重症では全身麻酔、呼吸停止にまで及ぶことがある。ショックで溺れることもあるので、注意が必要。
応急手当…トゲはウニから離れても反応し続けているので、素手で触れないように取り除く。その後、傷口をきれいな真水で洗って40~50℃のお湯に60~90分つけ、病院で手当を受ける。

   
    

⑤ドクウツボ(ウツボ科)

(写真提供 奄美海洋展示館)

全長…2m
生息場所…サンゴ礁域
特徴…もっとも大きくなるウツボ類のひとつで、体にやや大きな褐色班が並び、エラ孔は黒い。歯は鋭い。シガテラ毒漁としても知られている。(食べると食中毒にかかる危険性があるためで、咬まれても毒による被害を受けることはない)ウツボから襲ってくることはまずない。
症状…牙状の鋭い歯を持っているので、深く咬まれるとひどい傷を負い、そこから二次感染を起こす可能性も高い。
応急手当…傷口を真水でよく洗う。ガーゼなどで圧迫止血をし、出血がおさまったら消毒用アルコールなどで消毒し、病院に行く。

  
   

⑥オニダルマオコゼ(オニオコゼ科)

(写真提供 奄美海洋展示館)

全長…40cm
生息場所…サンゴ礁・岩礁周辺の砂礫(されき)底。水深5mくらい。
特徴…体を周囲の環境に似せたり、砂へ潜り込んで身を隠しているので、見分けるのが難しい。海水浴では滅多に見かけないが、踏まないように注意。背ビレのトゲの刺毒は強烈で、死亡例もある。しかし、自分から攻撃してくることはない。
症状…周期的な激痛がはしる。頭痛、発汗、吐き気。めまい、腹痛が起き、ひどい場合は呼吸困難、血圧低下、意識障害にまで達する。激しい痛みによって意識を失い、溺れることがあるので注意が必要。
応急手当…傷口をきれいな真水で洗ったら40~50℃のお湯に60~90分浸ける。この時、お湯が熱すぎて火傷を起こすことがああるので、温度を確かめること。これで痛み、血管収縮は防ぐことができるが、痛みが取れたら必ず病院へ行くこと。

釣りのときに要注意!な危険生物

①ハナミノカサゴ(フサカサゴ科)

(写真提供 奄美海洋展示館)

・全長…30cm
・生息場所…サンゴ礁域。浅瀬にいて、ふわっと浮いてくる。釣ってしまった場合には、毒のあるヒレ部分に触れないように釣り針から外す。
・特徴…胸ビレは長く伸び、膜の切れ込みも深い。
・症状…刺されると、すぐに激しく痛み、患部は腫れる。刺された部分が熱を帯びることもあり、時間がたつと青く変色してくる。放置すると人によっては食欲減退、吐き気、下痢、発汗を伴い、ひどい場合は不整脈、呼吸困難を起こすこともある。
・応急手当…傷口をきれいな真水で洗ったら40~50℃のお湯に60~90分つける。お湯が熱すぎて火傷を起こすことがあるので、つける前に温度を確かめる。これで痛み、血管収縮は防ぐことができるが、痛みが取れたら必ず病院へ行くこと。

   
    

②アイゴ(アイゴ科)

(写真提供 奄美海洋展示館)

・全長…30cm
・生息場所…沿岸の岩礁域・海草藻場
・特徴…体に多数の白色斑点をもつ。背ビレ、腹ビレ、尾ビレに毒針をもつ。
・症状…刺されると激しく痛み、傷口は青く腫れ、麻痺する。発汗、吐き気、高熱が出ることもある。ひどい場合は、意識不明、呼吸困難を起こしたり、虚弱状態が続く。
・応急手当…傷口をきれいな真水で洗ったら40~50℃のお湯に60~90分つける。このとき、お湯が熱すぎて火傷を起こすことがあるので、つける前に温度を確かめる。これで痛み、血管収縮は防ぐことができるが、痛みが取れたら必ず病院へ行くこと。

    

お出かけの注意点:まずは服装から!奄美の海に適した服装は?

奄美大島は本土に比べて日が長く高いため、紫外線を強く長くあびることになります。

海に遊びに行くときには、ラッシュガードのような紫外線をさえぎることのできる長袖を着用しましょう。

また、足元が岩場やサンゴのことも多いので、サンダルのような指先が露出した履物でなく、マリンシューズを履くことをおすすめします。

マリンシューズがない場合は、使い古した靴や上履きでもOK!今シーズンで捨ててしまおうと思っていた靴も使えますよ。

長靴は水が入ってしまうと重みで動けなくなってしまうのでNGです。

有馬さんいわく、奄美の海に適した服装は「肌の露出をなるべく少なくすること!」がポイントだそうです。

海にお出かけのときには、意識して準備しましょうね。

      
     

これさえ守れば大丈夫!海レジャーを楽しむ3つのルール

海には、綺麗な魚やイソギンチャク、サンゴといった生き物が、たくさん生息しています。

しかし、それらが全て安全な生き物とは限りません。中には危険な生き物も存在します。それゆえ、海レジャーを楽しむには、大切なルールがあるのです。

ここでは、その大切なルールを3つ、ご紹介します。

■ルール1)手を出さない、触らない、蹴らない

海にはさまざまな生き物が生息して、一生懸命生きています。むやみに触ったり蹴ったりして、傷つけないようにしましょう。また、むやみに手を出していると、自分の手を傷つけることもあるので、生き物と自分、お互いのためにルールを守りましょう。

水の中の生き物は、自分から攻撃することは滅多にありません。こちらが手出ししなければ、ほとんどの場合、逃げていくか引っ込んでしまいます。

変に手出しして刺激せず、静かに距離を保って観察しましょう。

■ルール2)歩く先や手を置くところなど、周りをよく見て動く

生きているけど移動しない(できない)、ほとんど静かに擬態して動かないなど、中には見ても気づきづらい生き物もいます。注意せずに歩いていてうっかり踏んでしまった!手を置いたところに生き物がいた!なんてこともありえます。歩くときは注意深くゆっくりと、よく見て行動しましょう。

発見したら、やはり、静かに距離を保って観察です。

■ルール3)危険生物に遭遇しても、慌てず冷静に行動する

「海での危険は生き物だけではないんです」と有馬さん。

実は、危険生物に遭遇したときに慌ててしまうのが恐いんだとか。慌ててしまうと、浅いところでも溺れてしまうことがあるそうです。呼吸が荒くなって、手足をバタつかせて水しぶきを上げてしまうと、生き物の方が驚いて、攻撃してくる可能性も高くなります。

まずは危険生物と目が合っても落ち着いて、冷静に。静かにその場を離れるか、相手が逃げていくのを待ちましょう。

   
  

【まとめ】ルールを守って安全な海レジャーを!

海にはさまざまな生き物が生息しています。

それらの生き物の中には、確かに危険な生き物もいますが、ほとんどの生き物が、自ら攻撃してくることはありません。

こちらから手を出さない限り、毒を出してくることはないのです。

海の生き物から自分自身を危険から守るために、服装に気をつけ、ご紹介した3つのルールをしっかり守って、海レジャーを楽しみましょう!

~おさらい~

「大切な3つのルール」

①手を出さない、触らない、蹴らない
②歩く先や手を置くところなど、周りをよく見て動く
③危険生物に遭遇しても、慌てず冷静に行動する

奄美海洋展示館には、今回紹介したドクウツボの仲間やガンガゼがいます。また、貝殻標本の展示や危険生物のまとめパネルもあります。海レジャーに出かける前に、親子で立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

奄美海洋展示館の有馬ほずみさん、ご協力、誠にありがとうございました!

   
     
    

【奄美海洋展示館 基本情報】

開館:午前9時30分~午後6時(最終入館時間:午後5時30分)
場所:奄美市名瀬小宿大浜701-1
電話:0997-55-6000
内容:親子ふれあい遊び
料金:子育て支援パスポート提示で入場料割引(奄美群島の市町村在住者に限ります)
大人500円→300円、小中学生300円→100円、幼児(4歳以上)100円→無料

ホームページ:https://www.ohama.marutani-amami.com/

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sunママ

「自然いっぱいの島で子育てをしたい!」そう思って、家族4人で千葉県から奄美大島にIターンして早7年。奄美のあたたかい人たちに支えられて、楽しい日々を過ごしています。 今では10歳、7歳、5歳の母となり、学校行事や地域行事、子どもたちの習い事にイベント参加…と充実の日々。今は少しずつ、おうちでできるライターのお仕事にも挑戦中です。

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