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お子さんの就学に不安があるならまずは相談を!特別支援学級、通級指導教室についてご存じですか?

執筆:ムラタ マチヨ(まーじんママライター)
       

      
みなさんは小学校・中学校の特別支援学級について、どのようなイメージをもっていますか? また、通級指導教室というものがあることをご存じですか? 

先日ママ友と話していて療育や特別支援学級の話題になりました。その時ママ友が言っていたのが「特別支援学級って実際どんなところなのかよく知らない、分からない」ということ。

私も実際どういうところなのか知らず、インターネットで情報を探してみました。すると、いまだに「学校の中で隔離されている」というイメージをもっている人や「自由時間が多く、勉強には力を入れていない」といった、実際とは異なる内容が。 

私は今回、奄美市の特別支援学級・通級指導教室についてお話をうかがい、インターネット上にあったそれらのイメージや情報は、実際とは全く違うということに気付かされました。 特別支援学級や通級指導教室についてのイメージや情報はまだ誤解が多いようです。 

この機会に、特別支援学級・通級指導教室がどんなところなのか知っていただけたらと思います。 
   
      

特別支援学級ってどんなところ?

     
特別支援学級は、公立の小学校、中学校の中に設置されています。現時点で特別支援学級がない学校でも、必要性があれば新規設立の申請が可能です。

特別支援学級には、さまざまな理由から通常の学級よりもきめ細やかな学習が必要な児童が在籍しています。1クラスの定員は8名です。

特別支援学級に在籍した児童はその後ずっと特別支援学級に在籍すると決まっているわけではなく、児童の学習状況をふまえ通常学級に籍が移ることもあります。 

         

通常の学級とも交流があります。 

特別支援学級の中にもさまざまなクラスがあり、児童の困り感に合わせた学級で学習を支援していきます。

特別支援学級にいろいろな種類があるとは知らなかったので、このことは私には驚きでした。子どもの特性に合わせたクラスに通わせられたら、親としても安心ですよね。

多いのは自閉症・情緒障害特別支援学級、通称「情緒学級」と、知的障害特別支援学級、通称「知的学級」です。 

どのクラスに在籍する児童も特別支援学級だけではなく、同じ学年の通常の学級でも他の友達と一緒に学びます。その通常のクラスのことを「交流学級」と呼んでいます。 

「情緒学級」では情緒的な特性により自分の感情をコントロールすることが難しかったり、感覚が過敏であったりして状況の変化が苦手な児童、心因性の選択性かん黙により他者とのコミュニケーションが難しい児童が在籍しています。 

どの教科を特別支援学級で受けるのか、交流学級で受けるのかは、児童の特性に合わせて、教育効果が一番高いと思われる方法がとられることが一般的です。

「知的学級」では知的発達の面で、通常の集団における学習よりも、きめ細やかな指導が必要な児童が在籍しています。一人ひとりの発達の状況に応じて、国語と算数などの教科を中心に特別支援学級で授業を受け、その他の教科は児童の実態に合わせて交流学級で学習します。 

特別支援学級に在籍していても、同じ学年の友達と交流する機会があるので、特別支援学級にも交流学級にもその子の居場所があることになります。 

それぞれの場面で交流学級に行くかどうかはお子さんの状況によりますが、どちらの教室にもその子の居場所があるというのは、とてもいいなと思いました。
     
     

通級指導教室とは 

奄美市の通級指導教室は現在、言語障害「ことばの教室」、聴覚障害「きこえの教室」、LD・ADHD「にこにこルーム」とクラスが3つに分かれています。 

普段は通常の学級に在籍し、一週間ごとの決められた時間に通級指導教室へ通います。 

奄美市では名瀬小学校および金久中学校に設置されており、他校の児童生徒は保護者がその時間に送迎をして通っています。 ※金久中学校はLD・ADHDのみ設置。

       

特別支援学級の教室について ~伊津部小学校の場合~ 

今回取材させていただいた伊津部小学校には、「しおかぜ学級」と「さざなみ学級」の2クラスがあります。 

●「しおかぜ学級」

しおかぜ学級には、異なる学年の5名の児童が在籍しています。 それぞれが一人ひとりの学習状況をふまえ、交流学級で学習したり、しおかぜ学級で学習したりして楽しく学校生活をおくっています。

教室内では音による刺激を抑えるために、椅子の引く音がしないよう椅子と机の脚にテニスボールをつけて工夫されていました。 

同じように視覚による刺激を抑えるために、掲示物もなるべく少なくされているそうです。

担任の先生がそれぞれの児童の特性を考慮して、いろいろな工夫をされているのが印象的でした。

しおかぜ学級には畳の部屋、トイレ、シャワー室があります。 

畳の部屋は「もやもや解消の部屋」。気持ちを落ち着かせたいときや、気分転換をはかるときに使います。
       

●「さざなみ学級」

さざなみ学級には、異なる学年の8名が在籍しています。児童の学年はさまざまで、国語と算数の時間を中心にさざなみ学級で授業を受けます。 

こちらの教室にも畳のスペースがあり、パーテーションで区切ることができます。 畳のスペースは学習に集中できないときなど、気分転換に使います。 

伊津部小学校の特別支援学級については、また別の記事で詳しく紹介させていただきたいと 思います。 
     
     

まとめ 

児童が特別支援学級に在籍または、通級指導教室に通うかどうかは、毎年保護者が相談をする機会があります。最終的には奄美市教育委員会と専門家の方々の委員会で、年度ごとに決定します。 

奄美市教育委員会の新(あらた)さんによると「教育委員会は、保護者・子どもと一緒に、 同じ視点で考えています。お子さんの就学先を一方的に決めることはありません。一緒に考えていきます。」とのこと。 

奄美市では毎年7月と9月頃に、就学相談会が開かれています。 

お子さんの就学に不安がある方が対象で、些細なことでも専門家に相談に乗ってもらうことができます。入学前だけでなく、就学中の児童も対象です。 

次年度入学の児童には、9月・10月に就学前健康診断もあります。 

お子さんの発達に少しでも不安がある方は、在籍する保育園(所)や幼稚園、または直接奄美市役所(健康増進課)までご相談ください。

特別支援学級・通級指導教室では、お子さんの将来の進学や就労にむけて、目標をもって学習に取り組んでいます。 

学校へ通うお子さん自身がより良い環境で学習に取り組めるよう、先生や教育委員会の皆さんと一緒に考えてみませんか。 
     
      

★第2弾コラム「伊津部小学校のしおかぜ学級にお邪魔してきました」はこちらから

      

【お問合せ先】 

●奄美市教育委員会学校教育課 
住所: 奄美市名瀬幸町25-8
電話: 0997-52-1128
FAX: 0997-53-9501
メール: kyoigk@city.amami.lg.jp

●奄美市健康増進課 子育て世代包括支援センター
電話:0997-52-1119(直通)

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ムラタ マチヨ

福岡県出身、二児の母です。13年間東京で暮らし、2018年春に夫のふるさとである奄美大島に移住してきました。元々は都会が好きで、移住には不安も感じていましたが、奄美の人や文化に触れ今ではすっかり島の魅力に取り憑かれています。奄美で子育てを楽しむためのいろんな情報を発信していきたいです~!!

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